はじめに
今回のテーマ『犬のライフステージについて』


犬と人とのコミュニケーションコーチ
JAHA認定:家庭犬しつけインストラクターの、井野めぐみです。
ー 2000年より6年間茨城県の動物病院で動物看護士として勤務。
ー 2007年家庭犬しつけ方教室DOGGY FRIENDSを発足
「犬のライフステージ」とは、子犬・成犬・シニアといった年齢や成長段階ごとの区分です。
それぞれに合った食事やケアをすることで、
愛犬が健やかに過ごせるサポートができます。
例えば、適切な運動量や、その子に合わせた食事
年齢に応じた対応がとても大切です。
今回はそんな人と生涯をともにする愛犬の一生に欠かせない
「犬のライフステージについて」詳しく紹介していきます。
コラム第3回目のタイトルをお楽しみください。
第3回:犬のライフステージと暮らしの工夫
①あなたへの問いかけ:「今のうちの子」に合った接し方、できていますか?

- 「子犬っていつからしつけができるの?」
- 「最近、前より元気がなくなった…年齢?」
- 「うちの子、もうシニアかも。どう接すればいい?」
犬にも、年齢によって大切なケアや関わり方があります。
ライフステージ別の特徴と暮らしの工夫をわかりやすくお伝えします。
② ポイントと事実:犬の一生は、6つのステージに分かれる

ステージ | 目安年齢 | |
新▶︎新生子期 | 生後〜2週齢前後 | 命を維持するためにも 今後の性格形成のためにも 母犬との関わりが超重要。 人が育てなければならない場合は 専門家のアドバイスを。 |
▶︎移行期 | 2〜3週齢前後 | 目が見え音が聞こえるようになり よちよち歩きを始める。 少しずつ離乳し始めるが まだ母犬や兄弟犬との関わりが必須。 |
▶︎社会化期 | 3〜16週齢前後 | 前半(8週齢前後)までは母犬や兄弟犬との 関わりで育む犬同士の社会勉強の時期。 後半(9週齢以降)は人や音、物など様々な 刺激を体験すると良いが、 怖がらないように 慣らしていくことが超重要。 免疫が出来上がっていないため 抱っこで色々な所に連れていくと良い。 |
▶︎若年期 | 〜1.5年から2年 | エネルギーに溢れ元気いっぱい。 興奮しやすく集中力も持続しないため 「反抗期」と呼ばれることもある。 たくさんの運動量と適切な刺激を確保し 関わる時間の確保を。 避妊去勢手術の最適時期。 |
▶︎成熟期 | 〜8歳ほど | 今までのしつけ、 関わり方が形になる時期。 集中力も出てくるため、より絆を深め、 色々なことにチャレンジしていける。 毎日のお手入れや、定期検診で健康維持を。 |
▶︎シニア期 | 8歳ほど〜 | 犬種や体格、ライフスタイルにより 時期は様々。しかし若々しく見えていても 急に変化が現れる場合もあるため 健康管理をしっかりと。 体力の変化に合わせて、散歩の速さや段差、 明るさ、音量など優しさベースで 環境を整えて。 |
③ 解釈と視点:「成長」に合わせて、接し方をチューニングしよう

社会化期に多くのことを楽しく経験させることでストレス耐性ができ、
精神的に余裕が生まれ、不安や恐怖からくる吠えや攻撃性を予防できます。
若齢期は色々なことに興味が出てくるしエネルギーも有り余っています。
いうことを聞かせようと躍起になるより、運動など生理的欲求をしっかり満たすことが最重要。
いうことを聞きたくなるような魅力的な飼い主になるよう振る舞って。
成犬期は今までの結果が出ています。
軌道修正が必要であれば関わり方を見直して「信頼貯金」を積んでいきましょう。
習慣化したことが増え積極的な関わりが減っているかもしれませんが
関わる時間の確保をしてしっかりコミュニケーションをとっていきましょう。
シニア期には、年寄り扱いしすぎないけれど愛犬に優しい環境整備を。
体力と気力をしっかり観察してあげて。
④ 実生活でのヒント:ステージ別にできること

社会化期後半(4週齢〜16週齢)
抱っこでお散歩。
おやつをあげながら少しずつ、
人・犬・車・様々な音などに慣らす。
家の中で首輪やハーネスに慣らし
リードをつけてお散歩練習を。

若齢期(4ヶ月〜1.5歳)
基本的なしつけトレーニング、
トリック練習や引っ張りっこなど
飼い主さんとの遊び。
楽しくできるようポジティブな
トレーニングを用いて飼い主さんとの
時間が大好きになるように。

成熟期(1.5〜8歳)
ルーティーンにはこだわりすぎなくて
良いでしょう。
一緒にいろいろな新しいことに
チャレンジして、
楽しい経験を増やしていきましょう。
好きな共通言語が増えるのも良いですね。

シニア期(8歳〜)
床を滑りにくく歩きやすいよう
ソフトマットを敷き、
ベッドやソファーなど
お気に入りのところにステップを
置いて登りやすくするなど
安心と快適さを優先して。
⑤ まとめ:「今のステージ」を知ることが、最適なケアにつながる

年齢によって、必要な運動・刺激・環境はまったく異なります。
犬に「今のあなたにちょうどいい暮らし」をプレゼントすることが、
犬生のクオリティを大きく左右します。
🐾次回予告
次は「法律から学ぶ犬との暮らしの責任」。
愛情だけでなく「責任」を持つことも飼い主の大切な役割です。法律を知らずにトラブルを招くこともあります。ちょっぴり難しいこの問題をわかりやすく解説。
あなたの愛犬と安全に楽しく暮らすために、法律とマナーを一緒に見直しましょう!
執筆者「インストラクター」紹介
井野めぐみ

犬と人とのコミュニケーションコーチ
JAHA認定・家庭犬しつけインストラクター。
動物病院勤務を経て、2007年に
家庭犬しつけ方教室「DOGGY FRIENDS」を開設。
叱らずに伝わる、科学的かつ優しいトレーニングを通じて、
犬と人の“心が通じ合う暮らし”をサポートしています。
現在、都内:木場公園で開催されるKIBAワンニャンHAPPYフェスのしつけトレーナーとして多くのペットオーナーへ教室を開催している。