暖かくなってくる春先は、愛犬とのお出かけが楽しくなる季節です。
一方で、この時期から特に注意したいのが「外部寄生虫」の存在です。
ノミやマダニといった外部寄生虫は、皮膚トラブルだけでなく、感染症のリスクにも関わる重要な問題です。
近年では気候の変化により、そのリスクはより身近なものになってきています。
今回は、外部寄生虫の基本的な知識から、予防の考え方まで、獣医師の先生に解説していただきました。
【記事監修】葛野 莉奈先生プロフィール
かどのペットクリニック(神奈川県横浜市青葉区)


先生から読者のみなさんへメッセージ
「もっとこんなことを知っている飼い主さんが増えたらいいな」
「こんなことで悩んでいるたくさんの方の力になれたらいいな」
普段の診療の中で感じたことを、文章にまとめました。
少しでも多くの方のお役に立てたらうれしいです。
獣医師としてだけでなく、いち飼い主としても、皆さんと知識を共有しながら、動物たちとの生活がより充実するお手伝いができたらと思っています。
外部寄生虫によるトラブル
外部寄生虫はいつから注意が必要?
気温が上がって、活発になってくるのが外部寄生虫です。
気温が13度以上になると活発になるとされています。
最近では、温暖化による気候変化で地域によっては、冬でも13度を超える日があるため、あまり外部寄生虫が見られる季節性がなくなってきている場合もありますが、春になるとどんなに寒い地域でも平均気温は13度を超えるケースが多く、外部寄生虫への対策が必要です。
ノミ・マダニは皮膚トラブルだけじゃない
ノミやマダニなど、皮膚トラブルというあまり致命的なことにつながりにくいイメージが強いですが、近年ではマダニを媒介するSFTSウイルスなど人間や動物たちを死に至らす可能性のある感染症の病原体を媒介する危険があることがわかっています。
室内犬でも外部寄生虫対策が必要な理由
外に出ないわんちゃんでも、飼い主さんが自分の衣類などに付着した外部寄生虫を家の中に持ち込んでしまう場合もあります。
家に持ち込まれた外部寄生虫に感染する危険性もあるため、どんな子であってもしっかりと予防を行うと安心です。
注意すべき季節や予防計画などは気候の差もあるため、地域によって差があります。
お住まいの地域の最適な予防プランはどのようなものなのか、かかりつけの先生に相談しながら決めましょう。
地域や環境によって変わる感染リスク
ノミは野良猫などの外で生活する動物からも感染する可能性が高いですが、マダニなどその他の外部寄生虫は近隣で生活する野生動物の多さや、自然の多さなどの生活環境によっても感染する可能性は変わります。
旅行やアウトドアで高まるリスク
また、アウトドアなどの自然の多い場所への旅行によく行くかどうかということなどもどんな予防をすべきかということにつながるため、おうちのわんちゃんの場合はどうしたら良いのかという知識を正しく持つことは大切です。
地域ごとに異なる注意点(バベジアなど)
例えば同じ日本でも西のエリアでは、関東や東北など東や北の地域では見られないバベシアと呼ばれるマダニを介して感染する病原体が存在するため、よりマダニへの注意が必要になります。
飼い主さんの住んでいる地域やライフスタイルに適した予防方法や予防するタイミングを、専門家から聞き、正しい知識を持つことが大切です。
まとめ|外部寄生虫対策は“その子に合った予防”が大切
春は暖かくなって、外出がしやすくなるなど、わんちゃんにとって過ごしやすくなる季節でもあるでしょう。
しかし同時に、飼い主さんとしてわんちゃんの健康を守るために、そして定められた法律を守るために、忘れずに注意して行うべきことが増える時期でもあります。
進学や環境の変化など飼い主さんの生活環境も変わりやすい季節でもありますが、飼い主さん一人で抱えず、気になることや不安なことはかかりつけの先生に共有しながら、必要な場合はアドバイスをもらって、一つ一つ対策をとることをおすすめします。
外部寄生虫は、単なる皮膚トラブルだけでなく、感染症につながるリスクもある重要な問題です。
さらに近年では、季節に関係なく注意が必要なケースも増えています。
愛犬を守るためには、
・住んでいる地域
・生活環境
・お出かけの頻度
などに合わせて、適切な予防を行うことが大切です。
「うちの子は大丈夫」と思わずに、一度かかりつけの動物病院で相談し、最適な予防プランを確認してみましょう。
正しい知識と対策で、安心して愛犬との毎日を楽しんでいきましょう。
