猫はなぜ爪をとぐの?その理由と犬との違い
コラム猫の医療コラム

これからの季節は要注意!猫のフィラリア症

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はじめに

温度が高い日が続き、蚊に刺されやすい時期になってきましたね!
そんな時怖いのは、蚊を媒介とした「フィラリア症」です。

ところで皆さんは「フィラリア症」を犬だけの病気だと思ってませんか?
実はそんなことないんです!

本記事ではそんな気が付きにくい【猫のフィラリア症について】
静岡県の「パル動物病院」小野啓院長よりご紹介いただきます。 

🔽今回の先生です

パル動物病院の小野 啓と申します。
少しでも皆様のお役に立てるよう
お話しさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

フィラリア症の原因

フィラリア症は蚊が媒介

フィラリア症は「蚊」によって媒介され感染は犬だけでなく、猫にも広がることがあります。

フィラリア症の動物を蚊が吸血した際にミクロフィラリアという子虫が蚊の体内に入ります。
その後、蚊の体内で幼虫まで成長したフィラリアが、次の吸血の時に別の動物の体内に侵入することで感染が成立します。

そして、フィラリアの幼虫は肺の血管に到達すると幼虫に対して免疫反応を起こり、肺の血管や肺の組織に炎症が起きるため深刻な呼吸器症状へと繋がります

感染するとどんな症状がでるの?

風邪のような症状や、食欲不振

猫でははっきりとした初期症状が出ないことも多く 咳、喘息のような発作、定期的な嘔吐食欲不振体重減少が見られます。

日にちが経つにつれて歩行困難失神発作腹水の貯留などが見られることもあり一部の猫では突然死が起こります。

過去に国内で実施された調査で、突然死をした猫のうち10匹に1匹がフィラリアに感染していたという報告もあります。

また、屋内飼育の猫でも外猫と同様に感染リスクがあることも報告されています。

病院での診断方法は?

犬の場合、体内に多数のフィラリア成虫がいるため抗原検査や抗体検査などの血液検査で簡単に診断できます。

しかし猫の場合、基本的に少数寄生で通常は体内に、1~3匹の成虫しかいないため血液検査による診断が難しいです。
肺のレントゲンでは肺炎や喘息に似た異常が見られることもありますが画像だけで、フィラリア症の診断はできません

動物病院では症状レントゲン超音波検査など画像検査を組み合わせ総合的に診断していきます。

猫のフィラリアに治療方法はあるの?

内服薬で症状を緩和

猫の場合、今のところ確立された治療法がありません。
主に、内服薬による炎症のコントロール症状の緩和を行います。

犬の場合は、フィラリアの成虫を駆除するため成虫の駆虫薬を使ったり、外科摘出が行われたりします。

しかし猫が駆虫薬を使うと、成虫が死滅する際には強い免疫反応が起こりやすく
突然死を起こすことがあるため一般的に駆虫薬を使うことは推奨されていません。
また外科摘出も、犬よりリスクが高いため一般的な動物病院での実施は難しいです。

心臓や肺の血管にうけたダメージが強い場合、生涯にわたる治療が必要になります。

なにより「感染させない」ことが大事!

感染させないことが大切

この病気は蚊を介して心臓や肺の血管に寄生する寄生虫「犬糸状虫(フィラリア)」によって引き起こされる心臓病です。

犬糸状虫はその名の通り、本来は犬に感染する寄生虫です。
しかしながら、本来の宿主でない「猫」に感染するとわずかな寄生でも非常に深刻な呼吸器症状が現れ最悪の場合、命にかかわることがあります。

猫のフィラリア症は適切な予防により「感染させない」ことが何より重要となります。

動物病院では予防対策の一つとして、背中に滴下するタイプの予防薬を月に1回滴下することをお勧めしています。

フィラリア予防をお考えの方は、いつでも
お気軽に獣医師にご相談ください。

以上「猫のフィラリア症」について、パル動物病院の小野院長にご紹介いただきました。
蚊が増えてくるこれからの季節、大切な猫のためにもしっかり対策予防をしてあげたいですね。
もっと知りたい!という方はぜひお気軽に獣医師さんに相談してくださいね。

また、パル動物病院のWEBサイトでは、様々な分野にわたってペットの健康管理のお悩みにお答えする
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