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🐾【しつけコラム】第1回:犬との関係はここから始まる― ヒューマン・アニマル・ボンド(HAB)って何?―【井野めぐみ|犬と人とのコミュニケーションコーチ】

この記事は約6分で読めます。

はじめに

みなさん、はじめまして。

<strong>井野めぐみ</strong>
井野めぐみ

犬と人とのコミュニケーションコーチ
JAHA認定:家庭犬しつけインストラクターの、井野めぐみです。


これまで多くの飼い主さんから、「どうしてうちの子はこんな行動をするの?」「叱ってもなおらないのはなぜ?」といったご相談を受けてきました。
そのなかで私が気づいたのは、“しつけ”は叱ることではなく、“伝えること”だということ

そしてその伝え方には、科学的な理論と、犬の気持ちを理解する「優しさ」が必要だということでした。
現在は、学習理論に基づいた「陽性強化(ポジティブ・トレーニング)」を用いて、
犬にも人にも無理のない、楽しく伝わる関係づくりをサポートしています。
この連載では、「しつけ=一緒に暮らすための言葉」という視点から、
愛犬ともっと仲良くなれるヒントを、全10回でお届けしていきます。

どうぞ気軽に読んでいただき、「あ、これならできそう」と思えることがあれば、
ぜひ今日から試してみてくださいね。

それでは第10回にわたって連載をおこなう、
コラム第1回目のタイトルに進んでいきたいと思います。

第1回:犬との関係はここから始まる愛犬との思い~ヒューマン・アニマル・ボンド(HAB)って何?

① あなたへの問いかけ:犬と、どんな関係を築きたいですか?

レイリーくん

•「うちの子とは、心が通じ合っていると思う時が多い」
•「なぜ、犬って人にこんなにも寄り添ってくれるんだろう?」
•「うちの子が私を見つめている時、あれは何かを伝えようとしているのかな…?」

そんなふうに感じたこと、ありませんか?
そのヒントになるのが、今回のテーマ HAB(ヒューマン・アニマル・ボンド:人と動物の絆) です。
これは単なる“飼い主とペット”の関係ではありません。心と心が通う深い深い絆のことなのです。

② ポイントと事実:犬と人の絆には、こんな背景があります

犬と人との関係は、1万年以上前に始まった

犬の祖先であるオオカミが
人の近くに住みはじめたのが、
約15,000〜30,000年前。
オオカミは人のそばにいることで
残飯を得ることができ、人も、
オオカミの狩猟能力や外敵への警戒心を
活用するようになりました。
つまり、「お互いに得する関係(=相利共生:異なる種類の生物同士が互いに利益を与え合う関係)」が、
今の“人と犬”の原点なのです。

犬と触れ合うと、私たちの心と体に変化が起きる

犬とアイコンタクトするだけで、
オキシトシン(愛情ホルモン)
お互いに増えることが
科学的に実証されています。
オキシトシンはストレスホルモン
(コルチゾール)の分泌を抑えるため、
安心感・幸福感が高まります。
だから、犬がこちらを見つめたり、
私たちがリラックスしている
犬の姿を見たり触れたりすることで、
「癒される」「落ち着く」と感じるのは、
本能的な反応でもあるのです。

犬は“言葉を超えて”私たちを理解しようとする

犬は人の声のトーン・表情・仕草に
とても敏感です。
一方、私たちも、犬のしっぽの振り方や
目線、耳の動きから“気持ち”を
読み取ろうとします。
相手のことをわかろうとすること。
これが、HABの核となる
「相互理解」です。

犬がいることで、社会や家庭にも良い影響が

散歩中に近所の人と自然に
挨拶するようになった。
子どもが犬を通じて思いやりを学んだ。
家族内での会話が増えた。
頼られる存在となることで生きがいが
生まれた。
シニアの方も犬の散歩などで外に出る
機会が増え孤立が減った。
このように犬との暮らしが、
人と人とのつながりも
深めてくれるのです。

③ 解釈と視点:HABが教えてくれる「犬との関係の本質」

「犬は命令を聞くもの」「無理矢理でも従わせているからいい飼い主」など
そうした“上下関係”をベースにした見方は、もう過去のものとなっています。
今、多くの動物福祉の現場や行動学では、こう考えられています。

犬は“従がわせる存在”ではなく、“心を通わせるパートナー

服従と信頼はイコールではありません。
大好きな人の言うことは聞きたくなりますが、言うことを聞かせられているからといって
大好きになるとは限らないですよね。
しつけは、犬にその行動をさせることが重要なのではなく、
「犬がその行動をやりたくてしている」、という関係が大切なのです。
犬の行動の背景には、「安心したい」「心地よく過ごしたい」「大好きな家族と関わりたい」
というシンプルでまっすぐな気持ちがあります。
それを受け止め、寄り添いながら信頼関係を築き、その上で犬が暮らしやすくなるよう社会に
適応するマナーを教えていく、そんな私たち人間の姿勢こそHABの中核なのです。

④ 最後に:一緒に「両想いの関係」を目指しませんか?

このHABを知ることは、“犬との接し方がガラッと変わる”第一歩になります。
犬と心から両想いになるためには、「しつけ」や「技術」だけでなく、
絆を築こうとする気持ちがとても大切。次回は、そんな絆を深めるために役立つ、
「犬種別の個性(あなたの犬はどんなタイプ?)」について詳しくお話しします。


🐾最後にちょっとしたワーク

あなたの犬が、あなたを見上げているのはどんなときですか?
それは、「何かをさせようと、もしくは何かをやめさせようとした時」ではなく、
「あなたが感情を込めて接したとき」ではないでしょうか。
まずは1日10回、「視線を合わせて優しく語りかける」から、はじめてみてください。
距離は近くなくて構いません。
近すぎるアイコンタクトはちょっと困ってしまうかもしれません。
目を見ていることにこだわりすぎず、お顔を見てくれているな、と思えばオッケーです。
また、飼い主さんから覗き込んだり、お名前を呼んだりするよりも、
わんちゃんから自発的に飼い主さんを見ている時をキャッチすることがポイントです。
キャッチできたら優しいトーンで声かけをして褒めてあげてくださいね。
1日10回がクリアできたらどんどん回数を増やして愛情ホルモンをたくさん出していきましょう!

🐾次回予告

次回は、「あなたの犬はどんなタイプ?」がテーマ。
犬種でわかる個性についてお届けします!

執筆者「インストラクター」紹介

井野めぐみ

犬と人とのコミュニケーションコーチ
JAHA認定・家庭犬しつけインストラクター。
動物病院勤務を経て、2007年に
家庭犬しつけ方教室「DOGGY FRIENDS」を開設。
叱らずに伝わる、科学的かつ優しいトレーニングを通じて、
犬と人の“心が通じ合う暮らし”をサポートしています。
現在、都内:木場公園で開催されるKIBAワンニャンHAPPYフェスのしつけトレーナーとして多くのペットオーナーへ教室を開催している。

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わんちゃんとお出かけ前にチェック!
  • リードは必ず着用し、周囲への配慮を忘れずに。
  • 排泄物の処理グッズを持参しましょう。
  • 暑さ・寒さ対策や水分補給をお忘れなく。
  • お店や施設のペット同伴ルールを事前に確認してから訪問しましょう。
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