はじめに
今回のテーマ『飼い主が守るべき法律と暮らしの責任』


犬と人とのコミュニケーションコーチ
JAHA認定:家庭犬しつけインストラクターの、井野めぐみです。
ー 2000年より6年間茨城県の動物病院で動物看護士として勤務。
ー 2007年家庭犬しつけ方教室DOGGY FRIENDSを発足
犬を飼うということは、自分とは違う生命と共に生きるということです。
良き理解者となる一方、準するべきルール、マナー、法律というものがあります
今回はそんな「飼い主が守るべき法律と暮らしの責任」について詳しく紹介していきます。
第4回:法律から学ぶ犬との暮らしの責任
①あなたへの問いかけ:愛犬のための法律やルールをどれくらい知っていますか?

犬を飼うにあたって、法律やルールをどれくらい知っていますか?
愛情だけでなく「責任」を持つことも飼い主の大切な役割です。
法律を知らずにトラブルを招くこともあります。
あなたの愛犬と安全に楽しく暮らすために、法律とマナーを一緒に見直しましょう。
② ポイントと事実:条例と管理規制

おさえておきたい重要なポイントを挙げます。
1,犬の登録・鑑札は義務
犬を迎えたら30日以内に市区町村で登録し、鑑札を首輪に付けましょう。
登録を通じて、犬と飼い主の情報が行政に記録されます。
2,狂犬病予防接種は義務
毎年1回、必ず受けましょう(注射済票は首輪やハーネスに装着可)。
狂犬病は法律で予防が義務付けられており、飼い主の責任です。
3,動物愛護管理法による飼い主の責任
終生飼養、適切な環境提供、健康管理、無責任な繁殖禁止などが定められています。
犬の行動学的ニーズ(運動、社会化、遊び、学習など)を
満たすことも「適切な環境」の一部です。
4,マイクロチップ装着が原則義務
迷子や災害時の大切な手がかりとなります。
マイクロチップは犬に負担の少ない方法で、装着や登録を行いましょう。
5,虐待禁止
動物虐待は法律で禁止されており、罰則があります。
叩く、過剰に罰する、無理に服従させることは科学的にも推奨されません。
6,地域の条例
大型犬や特定犬種には、地域によって独自の管理規則があります。
飼育や散歩の方法、フェンスやリードの規定などを確認しておきましょう。
③ 解釈と視点:ルールはあなたの愛犬を守るための強い味方

法律は、飼い主を縛るためのものではなく、**愛犬と地域社会を守る「責任のルール」**です。
犬の健康や安全はもちろん、近隣住民の安心や公共の秩序も守ることが求められています。
例えば:
- 鑑札や注射済票を付けていない犬は、迷子になった際に飼い主の元に戻れない可能性があります。
- マイクロチップは、災害時や迷子の際に愛犬を守る重要な手段です。
- 無理やり服従させるのではなく、科学的な正の強化で行動を学ばせることで、
犬も飼い主もストレスなく安全に暮らせます。
社会の中で犬と共に暮らすことは、責任ある飼い主を増やすことにもつながります。
④ 実生活でのヒント:これを抑えれば完璧!
- 市区町村役場での登録や狂犬病予防接種は必ず期限内に行い、証明書や鑑札は首輪に付ける。
- マイクロチップ装着は動物病院で相談。まだの方は検討を。
- 犬が騒音や排泄物でトラブルを起こさないよう、日々のしつけや社会化を重視する。
- 大型犬や特定犬種を飼う場合は、地域の条例やルールを確認し、必要な対策を行う。
- 困った時は、市区町村の相談窓口、動物愛護団体、行動学に基づいたドッグトレーナーに相談。
⑤ まとめ:「今のステージ」を知ることが、最適なケアにつながる

愛犬を迎えるときは「愛情」と同じくらい「責任」を持つことが必要です。
法律は飼い主の行動指針であり、犬と飼い主、
そして社会が安心して暮らすための約束事です。
科学的でストレスの少ない関わり方を意識しながら、
法律とマナーをしっかり理解し、実践していきましょう。
あなたの愛犬と幸せな毎日を作る第一歩です。
🐾次回予告
次回は、「犬の心の声を聞く:カーミングシグナルと感情の読み方」がテーマ。
しっぽ・耳・目の動きに注目すると、犬の“気持ち”が驚くほど見えてきます。
執筆者「インストラクター」紹介
井野めぐみ

犬と人とのコミュニケーションコーチ
JAHA認定・家庭犬しつけインストラクター。
動物病院勤務を経て、2007年に
家庭犬しつけ方教室「DOGGY FRIENDS」を開設。
叱らずに伝わる、科学的かつ優しいトレーニングを通じて、
犬と人の“心が通じ合う暮らし”をサポートしています。
現在、都内:木場公園で開催されるKIBAワンニャンHAPPYフェスのしつけトレーナーとして多くのペットオーナーへ教室を開催している。