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【犬猫】分かりやすく解説「再生医療」の基本!

2023.12.8
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はじめに

最近、医療の世界で話題になっている「再生医療」をご存知ですか?
元々は人の治療において活躍を見せていましたが、最近では犬や猫の病気にも
可能性の幅を見出されようとしています。
本記事では、山梨県の「昭和動物病院」近野みまこ院長より
皆さんにぜひ知ってほしい、再生医療の世界についてご紹介します。

🔽今回の先生です

はじめまして。
昭和動物病院の院長 近野 みまこと申します。

これからどうぞよろしくお願いいたします。

進化が進む、人間の再生医療

再生医療は、人間が本来持つ修復・再生する力を最大限に活かす治療法です。
人の体は、約60兆個の細胞から構成されており、それぞれの細胞が特定の役割を果たしています。
その中でも「幹細胞」は、様々な細胞へと変化する特殊な「分化能力」を持っています。
幹細胞は通常の状態では活動しませんが、他の細胞が損傷したり減少したりすると、
それらの細胞の代わりとして働こうと活性化します。
病気によって機能を失った細胞や組織を修復し再生することができるのです。

2012年にノーベル賞を受賞し脚光を浴びた「iPS細胞」もまた「幹細胞」を用いた再生治療です。
その能力を活かして、様々な疾患の治療に応用されています。

幹細胞を用いた再生医療のステップは?

患者の状態によって異なる場合もありますが、一般的な流れをご紹介します。

①治療の対象者であるかどうかを医師が診察。
 患者の症状や体の状態を詳しく調べ、治療の適応性を確認します。

②脂肪採取の方法が行われます。脂肪組織は、患者自身の体から採取されます。
 一般的には、腹部などから少量の脂肪組織を取ります。

③採取された脂肪組織は、特定の培養施設で処理されます。
 そこで幹細胞が取り出され、培養増殖されます。幹細胞の数が規定の数まで増えるまで、
 約4週間程度の培養期間が必要です。

④培養が完了した後、幹細胞は元の患者自身に投与されます。投与方法は、静脈点滴や
 局所注射などによって行われます。医師とスタッフは治療前に検査結果を報告し、
 治療内容と投与方法を最終確認します。

投与後は、一定期間を設けて症状の確認やフォローアップが行われます。
治療の効果や副作用などを評価し、必要に応じて追加治療や調整を行います。
幹細胞治療は、個々の患者の状態に合わせたカスタマイズされた治療方法であり、
医療の進歩によってますます多くの病気や障害に対して有望な治療法として注目されています。

なぜ再生医療はすごいの?

人は老化が進むと、体内の幹細胞が脆弱化、あるいは、減少することで、免疫力低下を招き、
病気やケガなどの治癒期間が長く必要になると言われています。
患者自身の幹細胞を培養増殖し、患者自身の身体に戻す再生医療は、
幹細胞の研究から生まれた安全で、老化が進んだ体にも画期的な治療法なのです。

また再生医療は、従来の治療法では困難だった疾患に対して、
新たな道を開くことが期待されています。
幹細胞は神経細胞にも分化することができるため、脊椎損傷や脳梗塞、脊髄損傷などの
神経系の障害に対して、神経組織を再生する可能性があります。
また、しわやたるみの改善、肌質の向上など美容医療においても注目を浴びています。

ペットの世界にも再生医療はあるの?

今回は人間に対しての再生医療をベースに、基礎知識についてご紹介しましたが、
同じ治療法が、現在ペットの世界でも活かされています。
未来の医療とされる治療法も、さまざまな医療者の努力により、
有効な結果を積み重ねることで、身近な存在となりつつあるのです。

しかしながら幹細胞そのものを投与する場合、必要になる培養期間の長さやコスト面、
また稀ですが培養中のコンタミネーション(雑菌混入)や、免疫の拒否反応が起こるリスクなど、
効果や安全性についてはさらなる研究と技術の進歩が必要です。

そんな中で、より安全に気軽に手を伸ばすことができる
新しい再生医療が生まれていることを皆さまはご存知でしょうか?
次回は、当院でも沢山の実績を残している「幹細胞培養上清液」についてご紹介します。

施設情報

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昭和動物病院

〒409-3866 山梨県中巨摩郡昭和町西条1120-8
TEL:055 - 275 - 1288
診療受付時間:平日9:30〜12:00、15:00〜18:30
土曜9:30〜16:00(お昼休診時間なし)
休診日:日曜日、祝日、木曜日
※トリミングやお薬だしは通常診察時間でも対応できます。
診療対象動物:犬、猫、モルモット、ハムスター、ウサギ

予約のとり方: お電話、WEBサイトで予約が可能。
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