秋は行楽シーズンで、お外に出かける機会がたくさんあります。
しかし、気温差による体調不良や外部寄生虫トラブルなど、お出かけに伴う注意点もたくさん。
楽しいお出かけの思い出も、急なトラブルでパニックになってしまうことで嫌な思い出に代わってしまうこともあるでしょう。
だからこそ、想定されるトラブルを把握し、事前に対策を取ることが大切です。
【記事監修】葛野 莉奈先生プロフィール
かどのペットクリニック(神奈川県横浜市青葉区)


先生から読者のみなさんへメッセージ
「もっとこんなことを知っている飼い主さんが増えたらいいな」
「こんなことで悩んでいるたくさんの方の力になれたらいいな」
普段の診療の中で感じたことを、文章にまとめました。
少しでも多くの方のお役に立てたらうれしいです。
獣医師としてだけでなく、いち飼い主としても、皆さんと知識を共有しながら、動物たちとの生活がより充実するお手伝いができたらと思っています。
どんな時にトラブルは起こる?
秋は行楽シーズンで、お出かけの機会が増える季節です。
お天気の良い日にはお散歩や紅葉狩り、帰省、遠出など、普段あまり行かない場所へ行く機会も多くなります。
それぞれの場所で起こり得るトラブルはさまざま。
どんなトラブルが起こるのかを知っておくことが、冷静な対応につながります。

身近なお出かけでのトラブル
お散歩やお買い物など、短時間のお出かけでも油断は禁物。
秋は過ごしやすい季節とはいえ、日中はまだ気温が高い日もあります。
特に残暑が続く日は、地面の温度が想像以上に高くなることも。
アスファルトは熱をため込みやすく、夕方になっても温度が下がらない場合があります。
☀️熱中症は夏だけでなく、秋にも起こる危険があります。
命に関わることや、後遺症が残るケースもあるため要注意です。
お散歩前には、手で地面の温度をチェック。
昼間を避け、朝晩の涼しい時間帯に歩くようにしましょう。
また、高温のアスファルトは肉球のやけどの原因にも。
地面の状態を確認してから歩くことで、トラブルを防げます。

旅行や帰省など出先でのトラブル
秋の連休やお休みを利用して、遠出をする機会も増えますよね。
そんな時こそ、思わぬトラブルが起こることがあります。
自然の多い場所では、外部寄生虫・蛇・ハチなどとの遭遇も。
また、下痢・嘔吐・誤食など、普段と同じトラブルでも、慣れない土地では焦ってしまうこともあります。
出かける前に👇
- 現地の動物病院を調べておく
- 常備薬を少し多めに持っていく
この2つを意識するだけで、安心感がぐっと増します。

移動中にも注意したいトラブル
お出かけでは、車・バス・電車・飛行機など様々な交通手段を使います。
その際に起こりがちなトラブルが「酔い・不安・体調変化」。
普段は落ち着いている子でも、
クレートやキャリーに入ることで緊張したり、吠えてしまったりすることもあります。
また、飛行機利用では荷物扱いになることが多く、
持病や高齢の子には体調リスクもあります。
✳️ 事前にかかりつけ医に相談して、愛犬に合った移動手段を選びましょう。
準備次第で、お出かけの快適さが大きく変わります。

🐾次回予告
次回は、トラブルが起こってしまったときの正しい行動と、受診までの対応ポイントを解説します。
いざという時に慌てないために、ぜひチェックしてください。